複式簿記と借方貸方の覚え方。
日商簿記の勉強をするときに、混乱して理解不能になる最初の関門が仕訳の理解です。
「借方」と「貸方」という名称もワナです。 意味なんて無いです。
「名前だけ! 意味は、なし! 消しゴム禁止」というポイントをつかめば、理解が進みます。
過去の自分へ届けたい簡単な考え方です。
借方は、IN 手に入るもの。 貸方は、OUT 出ていくもの
借方と貸方の意味を教えてください。
多くのひとは次のように習いませんでしたか?
借方には、現金や売掛金を書くから、資産となるものが借方勘定科目です。
貸方には、お金を貸してくれたひとから借りたお金を書くから、負債や借金が貸方勘定科目です。
はい、みなさん、全部わすれましょう。
これらは、今となっては、経理が理解できる人を増やさないためのブラフ(うそ)に近くなりました。 こんなことを考えていては、日商簿記3級に合格することさえ、不可能になります。
納得いかないひとは、
「冨樫義博先生の HUNTER×HUNTER 第6巻 No.46 ネン」
に出てくる四大行の方便(※)と
考えることをお薦めします。
(※)ネン、テン、ゼツ、レン、ハツ
方便: 燃、点、舌、錬、発
真実: 念、纏、絶、練、発
ひらがなで書いて、左か右か
借方をひらがなで書いて、かりかた。 「り」の長い棒が左向き。
貸方をひらがなで書いて、かしかた。 「し」の長い棒が右向き。
※ 借りる方の人とか、貸す方の人とか考えていたら、理解不能です。
左は、プラス IN (手に入る)。 右は、マイナス OUT (出ていく)。
書いている内容は、ひとことで言えば、IN と OUT です。
※ こういう説明をすれば、日商簿記3級合格者は、どーんと増えると思います。
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世の中には表と裏がある、仕訳には借方と貸方がある。
具体例を考えれば、あなたの知識として理解できると思います。
借方 現金 1,000,000 / 貸方 資本金 1,000,000
表(借方、プラス)あなたが設立した会社に、現金が 1,000,000 あります。
裏(貸方、マイナス)これはあなたが準備したお金です。
借方 現金 1,000,000 / 貸方 借入金 1,000,000
表(借方、プラス)あなたが設立した会社に、現金が 1,000,000 あります。
裏(貸方、マイナス)しかし、これは借金です。
借方 売掛金 1,000,000 / 貸方 売上 1,000,000
表(借方、プラス)
お客様があなたにツケておいてね!と後払いで商品を買っていきました。
なんだか、モヤモヤしますが、来月の給料日で払ってもらう約束です。
いつかは入ってくるお金だから、プラスです。
裏(貸方、マイナス)
商品が売れたので、これは売上です。
負債じゃないのに、貸方って、変じゃない?
先生は、おっしゃいました。 損益計算書 (P/L, profit and loss statement, 利益と損失の声明書) だから問題ない。
多くの人が、ここで理解不能になります。
最初の2つの仕訳は、貸借対照表 (B/S, Balance Sheet, どっちが多いかの天秤) の仕訳です。
借方(左)は、プラス、入ってくるもの
貸方(右)は、マイナス、出ていくもの
このルールに当てはまらないものは、表と裏をかんがえる
覚え方は、人それぞれです。
パソコン購入を、簿記で表すと、こんな感じ
パソコンが手に入り、お金が出ていった。 それを、左の IN 側と、右の OUT 側に書いています。
合計を出すとき、消しゴム禁止、二重線訂正による金額変更も禁止です。
よって、いちいち仕訳(1行で済まない時もあります)を書くことになります。
つまりは、左側の合計と右側の合計の差を計算します。(相殺処理と呼ぶものに含まれます。)
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商品を仕入れました。
買掛金は、飲み屋のツケのようなものです。
いずれ支払わなければならない。(いずれ、出ていくお金です。)
支払期日が来たら、お金が出ていきます。(右側)
しかし、買掛金も相殺処理できます。(左側)
手に入るもの( IN )が左側で、出ていくもの( OUT 失うもの)は右側に書きます。
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商品を売りました。
売掛金は、ツケで売ってあげることです。 いずれ、お金を払ってもらいます。(いずれ、手に入るお金だから、左側です。) 右側には、お金が手に入る理由として、売上と書いておきます。
期日が来て無事にお金を回収出来たら、手に入った現金を左に、相殺する売掛金を右に書きます。
手に入るもの( IN )が左側で、出ていくもの( OUT 失うもの)は右側に書きます。
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損益計算書のイメージです。
損益計算書は、P/L と呼ばれます。
※ Profit (利益) と Loss(損)
儲かった現金を、当期利益と呼びます。
※細かい名称は学習を進める中で覚えてください。
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貸借対照表のイメージです
貸借対照表は、Balance Sheet と呼ばれます。
資産状況と負債(借金)状況が分かります。
※ 利益剰余と書きました。 細かい話では、利益の半額を資本準備金とするなどの決まりがありますが、学習をする中で出会うまで、気にしない方が良いです。
おおまかなイメージをつかみましょう。
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複式簿記のイメージがつかめたら読んで欲しい本
日商簿記3級向けのお薦め本は、こちらです。
日商簿記2級向けのお薦め本は、こちらです。
商業簿記
工業簿記
You Tube 動画
日商簿記1級に合格できなかったわたしでは、説得力が足りないかも?
でも、日商簿記2級は合格しましたから、参考にはなるはずです。